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なめらかに

 

 

なめらかに堕ちてゆかむか白き鬼群れてはひくき歌を唄ひぬ
(なめらかにおちてゆかんかしろき鬼むれてはひくきうたをうたいぬ)

                                                                           -同人誌 合同歌集-

 

 

それにしても、月日の経つのは余りに早く、今年も1月の半ばを過ぎました。
そして、一昨日はあの阪神淡路大震災から15年ということで、
大きなセレモニーも挙行されていました。ところが、その数日前、
この12日(日本時間13日午前7時前)には、とんでもない大きな地震が
カリブ海の最貧国ハイチで起きてしまいました。
ハイチは人口約900万人で、すでに国連は30万人が家を失っていると
発表し、18日(日本)のニュースではすでに埋葬者7万人、刻々治安が
悪化しているとも報じています。

 

ハイチは、アメリカ大陸ではじめての黒人による共和国となり、
かつては西半球で最も豊かな植民地といわれていたが、現在では西半球で
最も貧しい国になっているとか。
度々の内乱による政情不安がこの結果を招いているのだと言います。

この地球上には多種多様の価値観がしのぎを削り、我こそは真実なり、
いや我々こそが最も価値のある存在だと、争っています。
そして、日本では今、政権交代を迎えて既得権益を有する者たちが、
その優位な立場を失わんとすることに恐怖を感じて、とげとげしく、最後の?
足掻きを繰り広げています。
政治の貧困が、その国民の生活をよくも悪くもするのだということを
ここ数日、繰り返し考えざるをえない日々となっているのです。

今、テレビや新聞の報道によって見える風景は、今までののんびりと
貪っていた『我が世の春』の者たちが、国の在り方が変わっていくなかで、
つい15年前の地震による惨劇やまだまだこれから起るであろう大地震や
災害の危険性を感じ、想像するナイーブさを失ったまま、
自分たちが手にしている既得権を護るべく必死の抵抗をしているように
思えてならないのです。

ハイチの地震だけでなく、過去を顧みれば、数々の内外の災害の被害は、
その国情に合わせて国民やその国土に大きな被害をもたらしました。
とんでもない数の人間の、平凡な暮らしや生命を奪い、今もまた
簒奪しつづけています。

他者の痛みに鈍感であったり、他者の思いを想像することができない者たちが
たまたま手に入れた既得権にしがみつくことは赦しがたいことだと思います。
もう政治などの難しいこととはオサラバ!と思っていましたが、
今日ばかりは、身体が熱くなるほどの怒りをもってこのモノローグを記して
います。

思えば、歌集『ガラスの靴』は、震災の前年に上梓したのですが、
昔の仲間がそれを祝ってくれた日の翌日が、その震災の日でした。
『このピンクの歌集が体育館での避難生活に大きな慰謝を与えてくれた』と
手紙をくれた友人がいたことも今更ながらに思い返しています。

 

 

 

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